相続財産の調査(預貯金編)
相続手続きを進めるに当たり、戸籍収集して法定相続人を確定します。次にやる事として、亡くなった方(被相続人)の財産を調査する必要があります。今回は預貯金調査についてお話したいと思います。どのように被相続人の預貯金口座を探したら良いのか。
① 被相続人の預貯金通帳を探す。
被相続人のご自宅に保管されていた預貯金通帳を探し、該当する金融機関にお問合せをします。その際にお取引の有無や残高についてはすぐに教えてくれる事は、ほぼありません。金融機関によって、必要とされる書類が異なりますので一度確認頂くのが良いと思います。具体的な支店が分からなくても金融機関によっては調査して頂けるところもあります。
② 生前お世話になっていた税理士等に確認する。
被相続人が生前に確定申告を依頼していたり、顧問契約を締結していた税理士等にお問い合わせすることにより、預貯金口座が判明する事もあります。
③ 公共料金等の引き落とし先に確認する。
公共料金等は金融機関で自動引き落としをしているケースが大半だと思います。普段あまり気にしていなかった支払いが、実は被相続人の口座から引き落としされているというケースも多々あります。公共料金等の支払いは誰が行っているのか、どの口座から引き落としになっているのかを確認してみたら良いと思います。
判例(最高裁判所平成21年1月22日判決)
「~金融機関は、預金契約に基づき、預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負うと解するのが相当である。そして、預金者が死亡した場合、その共同相続人の一人は、預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが、これとは別に、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができるというべきであり、他の共同相続人全員の同意がないことは上記権利行使を妨げる理由となるものではない。~」
預貯金口座を探す作業についても実は簡単に素早く探す方法は無く、地道に探す必要があります。相続人の立場に立って考えた場合、この調査以外にもやることが沢山発生します。弊社として、出来る限りサポート出来ればと考えております。是非お気軽にお問い合わせください。
小野寺若