相続財産の調査(不動産調査編)
相続手続きを進めるに当たり、戸籍収集して法定相続人を確定します。次にやる事として、亡くなった方(被相続人)の財産を調査する必要があります。相続財産のメインとなるものは、不動産、預貯金、現金、株式等です。そして忘れてならないのが、借金等の債務です。これらの財産を把握しない事には、相続人間での話し合いも出来ませんし、1件1件相続財産が見つかる度に話し合いをしても相当な時間と労力を掛けることになります。本日は不動産調査についてお話します。
不動産調査方法は大きく分けると以下の3点です。
① 権利証
② 固定資産税納税通知書
③ 名寄帳
① 権利証について
被相続人が金庫等で大切に保管していた土地・建物の権利証(表紙には登記済権利証、登記済証、登記権利情報、登記識別情報等、色々な表現で記載されております。)を確認することにより土地・建物を把握することが出来ます。
② 固定資産税納税通知書について
年に1度5~6月頃に固定資産税納税通知書が被相続人の住所(または、被相続人が亡くなってから市役所等で納税通知書の郵送先を別途指定した場合は指定先)に送付されてきますので、その明細を確認する事により土地・建物を把握する事が出来ます。但し、課税されていない公衆用道路持分や、未登記建物で市役所等が把握していない物件については、この通知書には記載されておりませんのでご注意下さい。
③ 名寄帳について
非課税の公衆用道路持分を探すためには、上記①②で判明した土地・建物が存在する該当市役所等に対し、名寄帳を請求し確認する方法もあります。名寄帳には、該当市役所管轄に存在する被相続人名義の土地・建物の一覧が課税・非課税関係なく記載されております。
最後に未登記建物については、本来登記する必要があるものを放置していた結果、市役所等が把握しておらず課税されていないケースもあります。そのような場合はどの明細にも出てこない可能性がありますので、最終的には相続人間で実態を把握する必要も出てくると思います。権利証にしても固定資産税納税通知書の明細についても普段目にしているものではないと思いますので見方がよく分からないという方もいらっしゃると思います。不動産調査にお困りな方は、お気軽に弊社までご相談下さい。
小野寺若