遺言書を作成してみましょう
私共の主力のサービスである遺産整理業務は、亡くなった方の財産を相続人の元に確実に届けられるようサポートするサービスです。
亡くなられた方が遺言書を残している場合は、基本的に遺言書の通りに財産を分配します。特定の財産を承継する相続人が初めから決まっていますので途中で作業が滞ることはありません。一方、亡くなられた方が遺言書を残していなかった場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要が出てきます。この場合、遺産分割の方法で揉めることが多く話がまとまるのに数年を費やしたなどということも珍しくありません。
「相続争いはお金持ちの家庭で起こること。」「相続財産の少ない我が家には関係ない。」と考えている方はいまも多いようです。しかし、上記の図に示すように家庭裁判所で扱われている遺産分割事件の4分の3は相続財産の総額が5000万円以下の家庭で起こっています。
ただし、この場合でも相続財産の大部分が預貯金や現金であればそこまで大きな争いにはなりません。いざとなれば相続人に平等に財産を分配することが出来るからです。それでは遺産分割協議が紛糾してしまうのはどのような場合でしょうか。
上記の図を見ると、相続財産のおよそ半分ほどは不動産となっています。多くの家庭では相続財産が自宅不動産のみということも珍しくありません。亡くなった方が不動産をいくつも所有していれば各相続人に分配する財産があるのでまだ良いのですが、自宅不動産のみということになると難しくなります。各相続人が自宅不動産を持分で相続するという方法も考えられますが、後日争いになることも多くあまりお勧めできません。
ここまで見てきた通り、相続対策は早くから始めるべきです。その第一歩が遺言書の作成だと考えます。良く利用される遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言の二種類があります。自筆証書遺言は自分の関与のみで作成できる遺言、公正証書遺言は法律の専門家である公証人のお墨付きがある遺言です。改ざんや偽造の恐れがなく後日争いになりにくいという点で公正証書遺言の方が優れていますが、まず手始めに自筆証書遺言を書いてみてください。その後公正証書遺言に作成し直すという方法でも全く構いません。遺言書を作成する際の注意点等については、また改めて書きたいと思います。