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相続人の1人から身内で認知症になっている者がいるので、財産の大半については、私にして欲しいという依頼を受ける場合があります。さて、このような事は出来るのでしょか?結論は出来ないです。意思能力を欠いた者と遺産分割協議しても無効となります。また、認知症の者に代わって遺産分割協議書に記名押印することは、私文書偽造になる可能性もあり犯罪行為となってしまうかもしれません。意思能力の無い相続人も含めて遺産分割協議を行う場合には、成年後見制度を利用して、家庭裁判所にて後見等の申立てをし、後見人を選任して頂く必要があります。後見人には身内を選任して頂く場合も有りますが、司法書士、弁護士等の資格者を選任して頂く場合も有ります。

依頼者で勘違いされる方がいらっしゃるのですが、自分が依頼をした司法書士、弁護士が後見人に選任されたので、依頼者のご希望通りに遺産分割協議をして頂けると安心される方がいらっしゃいます。これは大きな間違いです。後見人はあくまでも認知症等の意思能力を欠いた者(被後見人)の利益を守ることが大きな仕事になります。よって、家庭裁判所において選任された後見人は依頼者の為ではなく、被後見人の利益を守る為に遺産分割協議に参加する事になります。

意思能力を欠いているか否かは、家族の方が一番よく分かっていると思います。少しでも不安を感じるようでしたら、私達が直接お会いし、判断させて頂く事も可能です。お客様の不安を少しでも解消できるように全力でサポートさせて頂きます。

小野寺若